「工事監理」とは「その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認することをいう」(建築士法)。

Q:確認申請書に工事監理者が定められているから大丈夫?
A:建築士が名義貸しをして、一度も現場に現れない場合が非常に多いので、安心できません。
Q:施工業者が「監理には特に力をいれている」と言っており、カタログ・広告にも社内のしっかりしたチェック体制が明記されているので大丈夫?
A建物を造る側の人が、厳しい目で監理するとはとても思えません。建主の立場に立って工事監理をする人が必要です。「私達は工事監理に力をいれていません」と言う施工業者はいないでしょう。
Q:住宅金融公庫の融資を受けており、公庫の検査があるから大丈夫?
A:「公庫の現場審査は、公庫が融資する住宅として定められて建設基準に適合しているか、また、資金交付の出来高に達しているかどうかを中心とした審査ですから、いわゆる建築主が行う工事監理のように、すみからすみまで検査するのとは違います。したがって、仕上げ、施工などの良否の工事監理をするのは、工事監理者を別に決めて、審査してもらうことが必要です。」と公庫の書類に明記されており、実際に、検査員は現場をきちんと見るだけの費用をもらっておらず、限られた費用の中で十分な検査が行われる訳がありません。
Q:性能評価の認定を受ける建物で、性能評価員の現場審査を受けるから大丈夫?
A:公庫の現場審査と同様に、性能評価基準に適合しているかどうかの審査です。また、ハウスメーカー等の型式認定を受けた建物では、型式認定を受けているからという理由で現場検査を行わないことがあった、という情報も入っています。
Q:自分で選んだ建築士が設計をすることになっていますが大丈夫?
A:きちんと監理業務委託契約書を交わして、業者と癒着することなく業務を遂行してくれる建築士であれば、一応は問題ありません。
Q:役所が中間検査、完了検査を行うことになっているから大丈夫?
Aこれまでも義務付けられていた検査が真っ当に行われていなかったのですから、法律改正後もきちんと行われるという保証はどこにもありません。
Q:役所が建築確認したのだから設計に問題はない?
A:建築確認は建物の面積、高さ等の限られた項目しか確認しません。2階建て住宅の確認申請の際に提出する図面が配置図、平面図、立面図、断面図程度(これだけの図面のみでは家は建たない)ですから、チェックできる項目も限られます。契約前に設計図書一式用意させてないと、建主の利益を守るための工事監理が出来ません。

以上の事項から欠陥住宅を防ぐには、
業者との利益関係のない第3者の建築士の工事中チェックが必要です。